持続可能なコーヒー生産のテーマの1つは気候変動への適応
持続可能なコーヒー生産と言っても、具体的にどういうことを指すのかがわかりづらいと思います。 重要なテーマの1つが、気候変動への適応策と考えています。 私たちの身近な経験でも、猛暑、ゲリラ豪雨、通常と異なる向きの台風などがあるように、 地球温暖化の影響を受けて、様々な変化が起きていると考えられています。
コーヒーの2050年問題(2050年にアラビカコーヒーの栽培適地が半減するというシミュレーション)のような
先の話ではなくても、既にコーヒー栽培にも気候変動の影響が表れ始めており、
一例として開花のことを紹介します。
コーヒーの開花
このような状況のときに重要になってくるのが品種の多様性と考えています。 コーヒーの品種の中で、「味がおいしい」「病気に強い」「栽培しやすい形をしている」など、 多種多様な品種があるとします。
もし、「わずかな乾燥でもきちんと開花できる」という性質を持つ品種があった場合、
この品種は異常気象のときでも、他の品種に比べて、適切に一斉開花し、実の収穫量もしっかりと採れる可能性が高いです。
今回は開花を例にとりましたが、他のことでも同じことが言えます。
コーヒー生産を持続可能にしたいと考えたときに、1種類の品種と100種類の品種のどちらがより持続可能になるかというと、
後者の100種類の方が持続可能になると言えるのです。